2010年入社。MRを経てマーケティングに従事し、全国のキーオピニオン(※1)との関係構築や共同研究の推進などに関わる。MBAを取得し、現在は大学院にてヘルスケア産業における価値協創を研究。
「壁」が自己変革を起こし、自信に変わる
田中 啓太さん
塩野義製薬株式会社 / メディカルアフェアーズ部 MSLグループ感染症領域
所属企業
派遣先企業
製造業・食品加工業向けにクラウド型の業務改善システムを提供するベンチャーで、新しい拠点の開設、新規事業のプロジェクトマネジメント、マーケティングおよび経営戦略の策定などを担当。
これまでのキャリアの中でビジネスに関する知識を身に付けてきたのですが、新しい事業やプロジェクトを立ち上げる上での実務経験不足を感じており、この短期派遣に参加しました。また、今の自分を会社の外から客観的に見つめ直す事で、今後のキャリアを描くための機会になると捉えていました。Mountain Gorillaではちょうど東京支店の開設を計画していた時期で、その実務担当としてオフィスの選定を担当。オフィスはわずか3日ほどで決定し、意思決定の速さに驚かされました。また、計画中だった新規事業にも参画させていただいたほか、目には見えない同社のコア技術を言語化し、マーケティングを行う上で共通理解を図るための資料作成を提案させていただきました。この資料作成をきっかけに、後に経営戦略の策定にも関わることができました。
業務で感じたのは、やはり仕事のスピード感です。塩野義製薬の中では「仕事が速い」と評価されることもあったのですが、派遣先ではむしろ遅いことに気づかされました。7~8割の精度でどんどんアウトプットしていき、そこからブラッシュアップする、という考えに切り替えることでそのギャップを克服していきました。また、いわゆる「部下マインド」からの脱却という点でも気づきがありました。ベンチャーでは上司から求められているものよりも市場ニーズを意識することが多いため、「誰に対して仕事をするのか」という風に意識が変わりました。
帰任後も、派遣前の業務に引き続き従事しています。派遣を経験したことで会社の存在価値を見直すことができ、同じ業務でも面白さややりがい、今後の広がりへの期待をより強く感じるようになりました。業務の改善点に対する気づきも早くなったと思います。そして、新事業開発やパラレルキャリアといった、今後のキャリア形成に対するビジョンが明確になったことも大きな収穫です。この派遣プログラムのメリットは「壁にぶち当たることによって自己変革を起こす」ことだと身をもって経験したので、今後は塩野義製薬、そして社会全体にこの知見を還元していきたいです。
(※1)Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)の略称。製薬企業の販売促進に影響力を持つ医師などの専門家のこと。